rumipianoのへっぽこるみ日記。

即興ピアニストrumipiano(岡本留美)のブログです。日々のつれづれ、脳内日記(創作日記)、演奏会情報などを載せています。YouTube公開中(『youtube rumipiano』で検索)。ホームページは「rumipiano ホームページ」で検索するとご覧いただけます。お問い合わせはrumipianosokkyo@gmail.comまで。

思い込み。

朝刊を読んでいたら小さな見出しが目を引いた。

「マツコ元社長死去」

マツコが元いた事務所だかなんだかの社長が亡くなったのか。そういえばテレ東でマツコの生前葬儀みたいな番組を最近やってたなぁ。偶然かなぁ。

社長の業績が記事に並ぶ。

そうか、その会社でマツコは働いたことがあるんだな。へー、会社員してたことあるんだ。そんなことも今のマツコの感性に影響してるんだろうな。すごいなマツコ…

しかしどうも今ひとつ腑に落ちない。

 

見出しを再びしっかりと読んでみた。

 

コマツ元社長」

そっか。

コマツ、か。

梅雨空の午後。

5月ごろから気分が晴れないのは毎年のこと。

まあ年間を通して、表面は取り繕っているが軽くはない気分が通奏低音のように心身の基底を流れているのだろうとは思う。

 

ひんやり空気の梅雨空の午後。

気分と天気のテンションがあってきたのだろう、気分が晴れないながらも落ち着く。

外からはいつもとは違う鳥の声がする。

ベランダに出て確認する。

少し離れたところに見える電線に緑のインコがとまっていた。ワカケホンセイインコだ。

インコだインコだインコだ。

生まれ変わったらワカケホンセイインコになってみたい。

いや、別のインコでもいい。

オウムもいいけどインコがいい。

野生インコと飼いインコ(インコバカな飼い主がいいな)の両方を経験してみたい。

 

来世と来来世にインコになれるように今世はインコを飼ってインコからいろいろ教えてもらっている。

とは言え成蹊。

前回のブログで日大のことを少し書いた。

自分の行っていた大学よりは授業の雰囲気が窮屈だったと。

 

いまはどうかわからないけれど、わたしが文学部の学生だった頃の成蹊はというと…ゼミでお世話になった宮本陽一郎先生、なんだか面白かった吉見俊哉先生やフルネームを忘れてしまったが比較文化論の小宮先生、哲学の的場先生、シェイクスピアの戯曲の斬新な解釈を教えてくれた本橋先生、作品講読の上岡先生、イギリス文学の度会先生、保健体育講義の大久保先生、(「セックスはスポーツです!」とクレオパトラのような風貌でおっしゃっていたな)、語用論の米山先生などなど。

幅広い教養と知性と学問への純粋な情熱に溢れた先生の授業は本当に刺激的だった。特に宮本先生と出会えたことは幸運だった。

 

いま国政を騒がせている総理大臣も成蹊だという。本当にちゃんと勉強してたのかな。してなかったんだろうな。先生たちのお話がわからなかったんだろうな。残念だ。

そう言えば、日大。

訳あって夏の暑い盛りに日大で一週間ほど授業を受けたことがある。

いくつかの科目を履修した。

自分が卒業した大学の授業の雰囲気とはちがうなぁと思った。うまく言葉にできないのだが、なんというかちょっと窮屈な感じがした。厳しいとはちがう。ああ、この感じが日大なのかなあと漠然と思った。

まあ自分が日大で出会った先生たちがたまたまそうだったのかもしれないけれど。

 

今回の日大の騒動でふと思い出した。

 

知っているクマ。

クマといえばこれまではプーさんぐらいしか知らなかったが、最近新たに知ったクマがいる。

ヴォイテクだ。

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第二次大戦中にポーランド軍に従軍。

戦地に赴き山岳地帯では抜群のフットワークで武器を運ぶなど活躍したらしい。

戦地に向かう折、「動物は輸送できない」ということから「伍長」に昇格させ事なきを得る。

ビールやタバコも嗜んだという。

戦後はエディンバラの動物園に入園。

その後はビールやタバコから遠ざかったらしい。

 

アイヌもこんな風にクマと暮らしていた。

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日本の街中にもクマがちょくちょく現れている。そろそろ国会にもクマが登場するかも知れない。次期首相はクマ、というのも遠い夢ではない。

刷り込み。

ああ、なんということだ。

大好きな人の名前を今の今まで間違えて読んでいた。

なぜ気づかなかったのだろう…大好きなのに。

 

ジャズピアニストのビル・エヴァンスだ。

カタカナ表記を先に覚えてしまったからか。

日本ではそう呼ばれているから疑いもせずに…大学で英米文学科にいたのに…

英語表記だとBill Evans

エヴァンズじゃん!

あーなんてこったパンナコッタ。

村上さんのところ』の文中で知る。

阪神タイガースだってtigersなんだからタイガーズだよね。それと一緒じゃん。ヤクルトスワローズはswallowsでスワロースじゃなくてちゃんとスワローズになってるじゃん。

ねぇ。

 

村上主義者。

昔、村上春樹の『ノルウェイの森』を今はもう彼岸にいるおねーちゃん(正確にはおばにあたるのだが、本人から「おねーちゃん」と呼ぶようお達しがあった)が「これいいよ」と大学生のわたしに貸してくれた。

人が貸してくれた本をまともに読んだ試しがなく、だいたいは「なんかおもしろかったよ」などと曖昧なことを言いながら返すハメになる。

ノルウェイ…』も最初はそんな感じで読み始めたのだが、気づいたら読了していた。あの薄明に満ちた静寂な空気感が病み傾向にあったわたしの精神にポカリスエットのようにスッと染み込んでいった。

それからいくつか村上春樹のものを読んだがタイトルも覚えていないくらいに終わった。

そんなころにまた後輩男子が『風の音を聴け』をくれた。自分が読んでよかったからくれたんだったと思う。それも読んだ。

アンダーグラウンド』も読んだ。

けれど結局それほどハマることなく時は過ぎた。

1Q84』が文庫になった頃、読んでみた。6冊全部読んだ。最後の最後で「むむう…」となった。ここまで付き合ったのに最後これかい?みたいな。どんな最後だったか忘れたくらいだ。

 

そして今、文庫になった『村上さんのところ』を読んでいる。本屋をプラプラしているときに平積みになっていた。「あ、フジモトさんだ!!」

そう、イラストが今は亡きフジモトマサルさんである。闘病の末に46歳という若さで亡くなられた。大好きなイラストレーターだったので訃報に触れた時は本当にショックだった。絵もストーリーも大好きだったのに。もっともっとフジモトさんの作品を読みたかった…(天国に行ったらぜひぜひお会いたい、ご迷惑でなければ)。

村上さんのところ』のイラストがフジモトさんの遺作だったように思う。

フジモトさんは大好きだけど村上さんはなぁ…と書店店頭でダブルバインド状態に陥った。中身をパラパラとめくる。フジモトさんのイラストや漫画がちょくちょく載っている。もうこうなったら中身は読まずにフジモトさんのイラストと漫画だけ見ることにしよう、と思いレジに向かった。オマケ欲しさにグリコのキャラメルを買っていたのを思い出した。

さて、実際に見始めると、イラストと村上さんの文章がリンクしていることに行き当たる。そりゃ当然だ。

仕方がないので中身も読んでみた(オマケだけじゃなくて、ちゃんとキャラメルも食べなくちゃね)。

世界中の「ハルキスト」やそのご家族やご子息などからの雑多な質問とそれに対する村上さんの答えが載っている。それが結構おもしろいのだ。なーんだ、村上さんってこんな人だったんだ。

ハルキストと村上春樹はイコールではないんだな。ハルキストたちが奇しくも村上春樹のイメージを作ってるのかもしれない。当の村上さんご本人も当惑されてる模様で、「(ハルキストではなく)『村上主義者』と言って欲しい」と。周りに隠れてイケナイ本を読むが如くコソコソイソイソと村上春樹を読む、みたいな。

今のこの時間にも地球上のどこかで村上主義者たちが密かにこそこそと村上本を読みふけっていることだろう。