「ボタンを掛け違えたまま 大人になるのは嫌ね」と姪に言われ、「ボタンを掛け違えたまま年をとるのは恥ずべきことだ」と親父の通夜で叔父に絡まれ、「ボタンを掛け違えたまま年をとるのは切ない」と姿見に映る野郎に言われる…(キリンジ『奴のシャツ』)
そっか、わたしもその口だったのか、と気づく四十路の暮れ。
今は狭い実家の和室を防音室にし、ベビーでグランドなピアノの横に寝台を置き寝起き。
僕ら音楽に愛されてる、そう思うのか?
(キリンジ『耳をうずめて』)
ああ、音楽に愛されてる…いや、片想いかストーカーか。大体音楽のことを考えているかな。いや、内田百閒を気ままに味わう時間も、インコとお話しする時間も結構あるな。「ボタン掛け違え人生」を振り返って喜怒哀楽する時間もまああるな。半期に一度、友達と演奏会を開く。即興ピアノをやる。神を感じる不思議な時間。あとは結構ぼんやり時間。性に合わないと思いながらも続けている仕事に行く時間もままある。
先を思うと不安になるから今日のところは寝るしかないね〜(電気グルーヴ 『N.O.』)