誰の記憶なのだろう。
いつの記憶なのだろう。
遠い昔に見た映画のシーンなのだろうか。
先日の演奏会の時にお客様からいただいたイメージのリクエスト…「民族大移動」。
次々と画像と音が浮かんだ。
荒野を行く人の群れ。
夕日に向かって歩みを進める。
沈む間際の夕日の強い光。
訪れる暗闇。
群れは止まる。休息の時間。
星も見えない夜。
いつ何者が迫り来るとも知れない恐怖の中で浅い眠りにつく。
不意に群れが襲われる。
ただ戦う。死なないために。
そしてまた進み続ける。
やがて来る平穏を夢見て。
これまでのリクエスト即興は、言葉から音をイメージしてきた。そしてこの日も。「民族大移動」を弾く前までは…
不思議な体験だった。