へっぽこるみ日記。

毎日毎日日が暮れる。半期に一度の即興ピアニストのつれづれ。

フジモトさんに救われる。

『二週間の休暇』という漫画が大好きだ。

今は亡きフジモトマサルさんの作品。

日常生活に疲れた主人公があるとき鳥に誘われ鳥の世界に来てしばらく過ごす…という物語。

絵もストーリーもひっそりと落ち着いている。

気分が重かったりざわざわしているときにふと読み返したくなる。

新装版の巻末に『給水塔占い』というのがついている。ストーリーの中にも出てくるものだ。

質問に答えていくと「平和団地型」「堅牢ドーム型」「砂漠鉄塔型」「廃墟煉瓦型」に分類される。

ちなみにわたしは「廃墟煉瓦型」。

「『個性的』とは、ときには褒め言葉でありときには社会性のなさを揶揄する言葉です。あなたは個性的です。しかし真に個性的な人は他人からの評価は必要としないでしょう。わが道を進んでください。ゆるぎなく、ずっと同じ場所に居続けることは尊いことです。これまで同様、そこに居続けてください。いずれ本当の理解者が現れます。ほら、遠い地平線の向こうから、こちらを目指してゆっくりと誰かが歩いてくるのが見えるでしょう。」

フジモトさんに大きく救われた思いがした。

なぜこんなにわかっていたのだろう、フジモトさんは。

もう少し若いときには「砂漠鉄塔型」だった。その時のわたしにはやはり図星だった。

すごいな、フジモトさん。

 

フジモトさんとは生前にメールで少しやりとりをしたことがある。メールをしたらお返事をくれたのである。フジモトさんの作品のお話の中には自分の中の持て余していた不可解な感覚がちらほら転がっているのである。

自己紹介がてら(フジモトさんはメールを送る際に自己紹介をしてくれるように頼んでいたのである)自作のCDを送らせていただいたこともある。「制作中に流して聴いています」とお返事に書いてあったのを覚えている。

 

もっともっとフジモトさんの作品を読みたかったな。

彼岸と此岸の間のような独特の空気感が絵の中に漂っているような、静かに安らいでいるような、なんとも言えない世界をさり気なく見せてくれる。ウィットもあり、やんわりシニカルなところもあり、品もある…そんな作品にもっともっと触れていたかった。

あちらに行くのが早すぎましたよ、ほんとに。

今ごろどうしていますか。