府中市美術館に『絵画の現在』を観に行く。
つい古いものに目がいってしまうのでたまには新しいものに触れてみよう。
何人かの若いアーティストの展示。
誰の作品、とか、どんなタイトル、とかあまり情報を持たずにただ作品に向き合ってみよう。
色が多くてパステルとか明るい色が目立っている。画風に関係なく翳りの少ない感じ。さらりんつるりん。滅菌されてるのに不安。
そんな感じ。
さらりんつるりん除菌済み、ってのが「現在」なのかな。
その中でちょっと手触りを感じたのが、津上みゆきの風景画。
ぱっと見前面は抽象の現代アートっぽい。
よく見ると背景に何かが埋まっているのが見えてくる。
自然や町が。
「現在」というフィルターだけをみているひと、「現在」というフィルターの向こうにある過去の流れだけをみているひと、その両方をみているひと、どちらもみていないひと、全く別のものをみているひと…
みんな。いろんな見方をしている。誰一人として同じものを見ていない。そんなひとびとがいつの時代も同じ時を生きているのだろう。その時々の最大公約数が時代の雰囲気や風土を作り上げているのかもしれない。最大公約数は自然に生まれているのか、意図的に作られているのか、偶然と必然の賜物なのかはよくわからないけれど。