必要があって急遽MRI検査を受ける。
これまでもMRI検査は経験がある。5回くらいかな、多分。
初めてのMRIは大学病院の構内の片隅にひっそりとある別棟で幽閉されて行われた。まだMRIの初期の頃だろう。あれはちょー怖かったな。
分厚い防音扉の部屋に通され、筒型の装置に入れられ轟音の中を身体拘束されて甚だ物騒だった。
それからはだんだん改良され、明るい中で行われるようになったが、轟音がするために両耳に耳栓をしてさらに巻いたタオルを枕とのくぼみの間に挟んだり、ヘッドフォンからヒーリングミュージックを流しやはりタオルを挟んだりといろいろしていた。
待合室で待っていると、色白の技師さんが迎えに来て「35分くらいかかると思います」と言った。
この度のMRIは随分と垢抜けていた。
まず、筒型ではなくオープン式だ。
そして、大音声がしない。
多少の身体拘束はあるものの、そんなに問題ない。
検査中に流れる機械音はまるでミニマル系のテクノサウンドだった。
その音の上にミニマルな音列を頭の中で鳴らしてコラボしているうちに35分が過ぎていた。
今までで一番快適なMRI検査だった。