rumipianoのへっぽこるみ日記。

即興ピアニストrumipiano(岡本留美)のブログです。日々のつれづれ、脳内日記(創作日記)、演奏会情報などを載せています。YouTube公開中(『youtube rumipiano』で検索)。ホームページは「rumipiano ホームページ」で検索するとご覧いただけます。お問い合わせはrumipianosokkyo@gmail.comまで。

ネガティブ王子に癒される。

昨日買ってきた『絶望名人カフカの人生論』(頭木弘樹 編訳 新潮文庫)。

あっという間に読み終える。

ネガティブ王子のカフカの珠玉のお言葉満載だ。

 

バルザックの散歩用ステッキの握りには、『私はあらゆる困難を打ち砕く』と刻まれていたという。ぼくの杖には、『あらゆる困難がぼくを打ち砕く』とある。共通しているのは、『あらゆる』というところだけだ。」

あらゆる、だけね。笑っちゃいけないが笑っちゃう。

 

「ミルクのコップを口のところに持ちあげるのさえ怖くなります。そのコップが、目の前で砕け散り、破片が顔に飛んでくることも、起きないとは限らないからです。」

なるほどぉ。確かに物体が崩れないで形を保っているのは奇跡的だからね。

 

「ずいぶん遠くまで歩きました。五時間ほど、ひとりで。それでも孤独さが足りない。まったく人通りのない谷間なのですが、それでもさびしさが足りない」

理想の孤独加減、さびしさ加減があるのはわかるなぁ。

 

「ちょっとした散歩をしただけで、ほとんど三日間というもの、疲れのために何もできませんでした」

ああ、そうだったのか。不安と散歩をしてたのかもしれないね。

 

…なんて読み進めているうちにあっという間に読了。

 

ポジティブワードに塗れたものよりもはるかに読みやすい。そしてホッとする。

 

カフカの小説をまとめ買いしてしまった。

しばらくはカフカな時間を過ごすことにしよう。