この夏はCDをたくさん買った。
二十枚弱になるかな。
その中の一枚。
Bill Evansの『From Left to Right』。
今までビル・エバンズのピアノのトリオやデュオやソロを聴いてきたので、ローズのエレピをどうやって弾くのだろうととても興味深かった。
ピアノとエレピ、スタインウェイとローズを行ったり来たりする。
ピアノで響かせるコードとローズで響かせるコード、ピアノで歌うフレーズとローズで歌うフレーズはやはり聴こえ方が違う。
エレピは音色の変化があまりないので素材がはっきりする。どんな音を弾いているかが聴こえやすい。
ピアノは音色がエレピに比べると多くかぶさってくるのでニュアンスが伝わりやすい。
ピアノでは雰囲気のでる和音やフレーズをエレピで弾くとまた感じが変わる。シンプルになる。
エレピでなければ出ない味わいもある。とくにローズなどはかなりアコースティック寄りだと思う。
スタインウェイでもローズでもビル・エバンズはビル・エバンズだった。
このアルバムを「イージーリスニング」と揶揄を込めていう人もいるらしいが、個人的には嫌いじゃない。
聴きやすいがビル・エバンズのエッセンスがしっかり凝縮されている。なのでついつい何度も聴いてしまう。うっとり。