ニューミュージックをコアに聴き始めたのは中学に入ってから。
それまではショパンを中心にクラシックを聴くことが多かった。
ニューミュージック、というジャンル名の由来はよく知らないけれど、多分フォークと対比して出てきたジャンル名なのだろう。
松任谷由実から聴き始め、『夜のヒットパレード』で山本達彦が「夏の愛人」を弾き語りしていたのをテレビで偶然見て「これだ!」と思って翌日「夏の愛人」のシングル盤を買いに行って、そのB面の「夜を抱きしめて」を聴いてさらに震えた。
そして『Mediterranee』というアルバムをタイトルの意味もわからず買って舐めるように聴いた。
セクシーでジャジーな曲が満載だった。
それからズブズブと山本達彦にハマっていった。
そう、松任谷由実も山本達彦も東芝EMIからアルバムを出していた。
キリンジを聴き直していて、なんだか懐かしい音の匂いがするなと思ったのが『For Beautiful Human Life』『十四時過ぎのカゲロウ』。
楽曲が懐かしい、というのではなく、音が懐かしい。音に含まれる空気感が懐かしいと思った。
そう、この二枚、東芝EMIから出ていたのである。
だからかぁ…
なんというか少しウェットな暗さが深みになっている感じ、といったらいいか。
そんな空気感が音を包んでいるように感じる。
それが東芝EMIの録音が持つ独特な雰囲気だったのかもしれない。
おもしろいなぁ。