自宅の最寄駅に直結している商業ビルの中でのこと。
トイレに向かっていた。
まっすぐ行って右に曲がると奥にトイレがある、という配置だった。
曲がり角の近くを歩いている時、小学校低学年と思しき男の子二人とすれ違った。
「あ、この場面、見たことがある。そう、ここを曲がるとこざっぱりした服装の短髪の初老男性とすれ違うんだ」
角を曲がるとこざっぱりした初老の男性が前方からやってきてすれ違った。
髪型や服装の雰囲気も浮かんだヴィジョンそのままだった。
しばしボンヤリしてしまった。
時々こういうことがある。
過去に同じような光景を目にしたことがあるのだろうか。
それとも不意にパラレルワールドを行き来してしまったのだろうか。
そもそも常に同じ次元にいるとは限らないのかもしれない。
夜寝る時にいた次元と朝起きた時の次元が同じだと証明することは果たしてできるのだろうか。
そんなことを実感させられる不思議な出来事だった。