たまに都会方面にお出かけしたり、仕事に行ったりちょっとまともなフリをすると途端に疲れてしまう。
そんな中、友人に誘われて『出雲と大和』展を見に行った。
上野界隈は普段の土曜日よりも人のごった返し具合がひどくなかった。
コロナウィルスの影響かな。
それでも会場内にはそれなりの人出があった。
マスク族がたくさんいた。
出雲や元伊勢や伊勢は訪ねたことがあるのでイメージしやすいところも多かった。
「国譲りに関する展示がもっとほしいよね」と友人が言っていた。
確かに。
不思議だなぁと思ったのは、展示にあった出雲の地図のなかに神魂神社や揖夜神社がないことだった。
神魂神社はあってもいいのになぁ。
主催者側の意図やいろいろあるのかなぁ。
どんなものも必ず誰かが意図して編集しているからね。
出雲大社があんなに大きかったのはなぜだろうと思う。
あれほどまでに大きくしないと鎮められないと思われた事案が出雲と大和の間にあったのだろうか。
恐竜とかいた時代は植物も動物も大きかったらしいが出雲族も大きかったのだろうか。
ひと通り見た後はお昼ご飯。
そのあと池袋に移動した。
個人的には滅多に来ない池袋。
パルコで開催中のキューライスさんの『フェムフェムランド』を見ようと思ったのだが、入場待ちの長蛇の列に気圧されて断念。
今日はサイン会あるからな。
人気あるんだなぁ。
パルコや西武をフラフラしてからお茶にした。
「よく水飲むね」
と友人が言った。
確かに。
上野のお店でもしきりに飲んでいた。
体が異変感じていたのだろう。
それから頭痛が来て首のあたりの筋肉が痛み始めた。
人の多い刺激の多い繁華街でときどき起きる症状だ。
体のでくの坊センサーが何かをキャッチしてるんだな、きっと。
帰りの電車で車内急病人にならないといいなぁと思ったが、なんとか新宿まで行けた。
京王線までたどり着き、座席を確保。
全身の筋肉が緊張しているのがわかった。
「顔に蒸しタオルを載せている感じ」とか「トトロのお腹に体を埋めている感じ」とか思いつく限りのほんわりした感覚をイメージしていると少し緩んできた。
最寄駅についた。
空を見上げて思いっきり空気を吸った。
何回か吸った。
修復されてきた。
人混みで頭痛が起きたり、電波の強いと思われるところで耳鳴りが起きたり、しっかり見ようとすると耳鳴りが起きたり、天気の変わり目に耳が詰まったり、季節の変わり目に魂が抜けたようになったり、なんか嫌だなという場所で肩が重くなったり、突然頭の後ろの方がぼんやりして世界が離れて行ったり…と不意打ちにあうことが日常茶飯事なのだが、世の中にはこんな感覚と無縁で暮らしている人々も多いのだろう。
多分自分はでくの坊体質なのだろう。
でくの坊にはでくの坊流の流儀があるのだろう。
へっぽこフラジャイルなでくの坊。
人一倍睡眠が必要。
やせ我慢は致命傷につながる。
いつの日かでくの坊流師範となってでくの坊流の地位向上を目指すことにしよう。
でくの坊流に未来あれ!
…とかいう展開はでくの坊流の流儀ではない。むしろ心身に支障をきたす恐れあり。
じわじわ、じわじわ、のらりくらり、といかないと。
「もしかしてでくの坊流でらして?」
「まあ奇遇!わたしもざますのよ」
「表千家でらっしゃるの?」
「いえ、裏ざますの」
「あらあら」
「まあまあ」
…いやいや、これもなんか違うかな。
フフフ。