YouTubeのピアノで『24調周遊の旅』に出てから九日目。
思い立った時はワクワク楽しかったのだが、いざ旅路に出てみると…なかなか苦しい旅である。
調性を限って即興するのは案外と窮屈さを伴うことがわかった。
たとえばハ長調なら「ドレミファソラシド」の音だけを使う。これだけあれば何かしら音楽は奏でられるだろうと思いきや、ついファ♯を使いたくなったり他の調に寄り道したくなるのだ。転調、というやつだ。
世の中の「ハ長調」と言われている曲も「ドレミファソラシド」以外にもいろんな音や調を使っていることが多い。
ハ短調、ヘ長調、ト長調はハ長調と親戚関係にあるようなものなので繋がりやすい。
また短調に関しては「自然的単音階」「和声的短音階」「旋律的短音階」の三種類がある。
イ短調を例に取ると…
「ラシドレミファソラ」
「ラシドレミファソ♯ラ」
「ラシドレミファ♯ソ♯ラソファミレドシラ」
の三つがあるので、長調よりは二つほど使える音が多くはあるのだが…
今回の試みは親戚はからめずに単独の調で弾くという設定にしている。
手癖でつい転調したくなる衝動を抑えながら弾いているので、ぎこちなく不自然な曲が多いかもしれない。
まあ、一度出た旅だ。
苦しさも取り込みながら最後まで旅しよう。
その先に何か見えてくるかもしれないし見えてこないかもしれない。
どちらでもかまわない。
とにかく行ってみよう。