rumipianoのへっぽこるみ日記。

即興ピアニストrumipiano(岡本留美)のブログです。日々のつれづれ、脳内日記(創作日記)、演奏会情報などを載せています。YouTube公開中(『youtube rumipiano』で検索)。ホームページは「rumipiano ホームページ」で検索するとご覧いただけます。お問い合わせはrumipianosokkyo@gmail.comまで。

予知能力?

母の友達の息子が珍しく父親の墓参りに同行したらしい。

彼女は「息子が父親の墓参りに一緒に行くなんてなにか(天変地異でも)起こりそうだわ」と言っていたという。

そしてその日に新潟・山形が揺れた。震度6

 

わたしも以前は「このところ地震きてないな」とふと思うとその日に地震が来たりしていたことがよくあった。

 

ヒトがもっと自然な生活をしていた頃は、肌感覚でそういったものを感知していたのかもしれない。

 

不定愁訴クイーンの母が、いつも以上に症状を強く感じているときは地震が来たり台風が来たりする。天気の変化もみな体の症状になってしまっているのが気の毒だ。ひょっとしたらこれも原始の頃の感覚を持ち合わせているってことのかも。

それにしても本人は辛いよね。

 

弟は「あー」とか「うー」とかなんとなくの言葉は発語できるが話すことができない。自閉症とか言われている。

これも、実はまだ人間が言語を使わなかったころの名残なんじゃないかと思う。

それを文明的じゃないからってんで病名がついてしまうのもなんだかなぁ…

席を譲られる。

ふんわりワンピースにリュックといういつもの出で立ちで出かけた。

 

用事を済ませ、最寄りのバス停から新宿駅西口行きの京王バスに乗った。

ロングシートの優先席に座っていた子供連れの夫婦の夫のほうがすっくと席を立って「どうぞ」と譲ってくれた。

なぜ譲ってくれたかわからないまま「いや、大丈夫ですよ」とやんわり断った。

せっかく譲ってくれたから座っておけばよかったのだろうか。

しかし譲られる理由が思い当たらないまま夫の妻子の横に座るのもどうも気まずい。

だが譲ってくれた夫の気持ちにも応えたい…

けれどもやはりウカウカ座るのもなんだなと、立ったままの夫に「大丈夫ですからどうぞ」と精一杯の誠意を込めて言うと座ってくれた。

よかった。

 

なぜ譲ってくれたのか…

生まれてからあと数年で半世紀だ。

だからだろうか?

ヨボヨボに見えたのか…

まあ縄文時代なら立派な高齢者だ。

でもなぁ…

 

もしかしたらふんわりワンピースに加えて胸の位置も下降傾向にある昨今(先日もふんやりワンピースで昼日中に近所を歩いていたら向かいから来た酔っ払いのオヤジに「姉ちゃん、ノーブラか?」と声をかけられた実績あり)故に、妊婦と間違えられたのかもしれない。

 

親切な人が多いのだろうか、中野近辺は。

パパ?

新聞の理容求人を見ていた。

 

「亀有 年不・週6連休社保完パパ可30万上」

三ツ境 32万+歩合日払可パパ可」

「竹ノ塚 技中・パパ可・休相談応細面」

 

パパ可?

なんだ、パパ可って??

検索しても出てこないぞ。

 

パパだと望ましくないということは…ママの方がいいのか?

それとも配偶者がいてもこどもがいないほうがいいのだろうか?

独身なら尚可、って言う感じもしないでもない。

むむう…

 

もう一度落ち着いて広告を読んでみる。

あれ?

パパ可、じゃない。

パバ可、か…

なんだ、パバって??

パーマネントバーバーか?

そう、理容室にのみ出没するといわれている妖怪、パーマネントバーバー。特技は名前に似合わずテクノカットだという。

 

注)パバ:「パート」「バイト」の総称。

 

脳内日記 其の十二。

ピッコロちゃんがわが家に来てから5年が経つ。

ピッコロちゃんはセキセイインコだ。

「この子はジャンボセキセイの血が入っているんです」

ピッコロちゃんをお迎えしたペットショップの店員さんが言っていた。

ジャンボセキセイは通常のセキセイインコのひとまわりほどの大きさがある。顔のパーツは標準サイズのままなので、パーツが顔の羽毛に埋もれた感じでなかなかイカつい面構えとなる。

もとはセキセイインコのショーのために特別に掛け合わせて作られたものらしいとどこかで聞いた覚えがある。

 

ピッコロちゃんはいたって標準サイズだった。

そう、昨日までは。

かわいい声で「ピッコロちゃーん」「ピッコロコロコロコロ」「ピッコロコッケっちゃ〜ん」「ピコどした?」などご機嫌でおしゃべりしていた。

 

今朝ピッコロちゃんのおうち(鳥かご)から「おはよ」と聞こえてきた。

しかしなんだか声音がいつもとは違うように聞こえた。

あんな声だったかな、ピッコロちゃん…

夜ピッコロちゃんが寝るときにおうちにかける青い布がまだ被さっていたのでそろそろと取り去ってみた。

縦横30センチ、高さ35センチのおうちの四方八方からブルーや黄色、白の羽毛がむにゅっと出ていた。

なんだなんだ?!

手のひらサイズだったピッコロちゃんが鳥かごいっぱいの大きさになっていたのだ。

呼吸を整えながら努めて冷静に鳥かごの留め具を外し分解した。

ピッコロちゃんがぼわんと出てきた。

もっふもふだ。

 

「ピコどした?」

「ピッコロコロコロコロ」

ちょっと太い声だがいつものようにご機嫌でお話ししている。

顔のサイズは前のままでもふもふボディの中に埋まっていた。

これもアリだな、と思ってしまった。

正常性バイアスのおかげだろうか。

 

とりあえず、ピッコロちゃんをお迎えしたペットショップに問い合わせてみた。

「5年前にそちらからお迎えしたセキセイインコが突然おっきくなっちゃったんですけど…大丈夫でしょうか?」 

小動物担当のスタッフが電話口に出てきた。

「大きくなっちゃったんですね?」

「はい」

「どれぐらい大きくなりました?」

「鳥かごいっぱいくらいです。羽毛がはみ出るくらいで…」

「それは随分大きくなりましたね!」

「お迎えした時にそちらのスタッフの方にこの子はジャンボセキセイの血が入ってるとは言われていたのですが…」

「ああ、なるほど!それでだと思います。でもそこまで大きくなるのは…一つ思い当たるのは…」

「何ですか?!」

「もしかして…メガジャンボセキセイの血が入っていたのかもしれませんね」

「メ、メガジャンボ?!」

「ジャンボセキセイ同士で掛け合わせた時に千分の一くらいの割合でメガジャンボセキセイが生まれるんです。でもメガジャンボセキセイは…」

「狙われますよね…」

「あ、ご存知でしたか。それなら話は早いです。UGAにだけは注意してください。私も口外いたしませんので。」

ちなみにUGAは「Under ground Association」の略だ。地下組織のひとつとらしい。アジア一帯に分布していると言われている。主な活動は世界中のメガジャンボセキセイを集めることだという。軍用インコにするらしい。何でもとにかく頭がいいので今では軍用犬以上の働きをするらしい。

ピッコロちゃんが戦争に駆り出されるなんて絶対嫌だ。

ペットショップの店員は口外しないと言っていたが、ペット業者には通報義務があると聞いたことがある。信用はできない。どうしよう…

悩んでいるとピッコロちゃんが声をかけてきた。

「ピコどした?」

「連れていかれちゃうかもしれないんだよ、ピッコロちゃん」

「コロコロコロコロ」

…わかりっこないよな、ピッコロちゃんに。こんな感じで軍用インコが務まるというのか。

その時だった。

ピンポーン、とインターホンが鳴った。

カメラには全身黒ずくめの男が映っていた。

黒のスーツに黒の帽子、そして黒のサングラスという出で立ちだ。見るからにダークな雰囲気だ。

「はい、どちら様でしょうか」

「私、アンダーグラウンドアソシエーションから参りました伴内と申します。」

アンダーグラウンドアソシエーション…まさかUGAでは…

「セールスなら間に合ってるんでいいです」

「いや、そうではなく今日はおたくにいらっしゃるセキセイインコについて少々ご相談がありまして…」

「インコなんていませんようちには」

「みなさんそうおっしゃるんですが、私共では調査済みでして…」

仕方なくドアを開けた。

「お忙しいところ申し訳ございません。おたくにメガジャンボセキセイがいると伺いまして大変失礼ではありますが突然の訪問をさせて頂きました。ご存知かもしれませんがメガジャンボセキセイインコは軍用インコとして大変活躍しております。防衛省からわが社に依頼がありましてメガジャンボセキセイインコをお譲りいただいているのですが…」

と言って名刺を差し出した。

そこにはUGAの文字があった。

もう来たのか…

名前は伴内甚五郎というらしい。

やはりペットショップから通報がいったのだろう。まあ、義務を怠ると業務停止にされるからそれを免れるためにだ。何というシステムだまったく。

「ピッコロちゃんを軍用インコなどにしたくありませんのでお引き取りください」

「いや、メガジャンボセキセイをペットとして飼うことは法律で禁止されていまして、違反をすると禁錮300年になるそうです」

「そんな法律聞いたことありませんが」

「つい一週間ほど前、国会で可決されたのをご存知ありませんか」

まったく国のやることは阿漕だ。

「もう人生でやりたいことはだいたいやったので、禁錮300年でもいいですけど。そのほうが年金支払いも納税も免除になるしかえっていいかもしれませんね。あなたもそう思いません?」

「まあ、そんなことおっしゃらずに…」

「じゃあどうしろというんです?」

「メガジャンボセキセイインコをお譲りいただければ結構です。とりあえず拝見させていただきます」

黒ずくめの男は悠長な作法で靴を脱ぎ揃えしゃなりしゃなりとピッコロちゃんのおうちの前へと向かった。

そしてしばらく息を詰めてピッコロちゃんを見定めていた。

「ん〜なるほど…」

「どうかしたんですか?」

「これはメガジャンボセキセイインコではなさそうですね、どうやら」

「はぁ」

「メガジャンボにしてはちょっと大きすぎるんです。おそらくギガジャンボセキセイの類いだと思います。」

男は革の鞄からなにかを取り出した。

「これが検査キット用紙なんです。脚にくっつけるとわかるんです。メガジャンボなら紙がピンクになるんです」

と言って、用紙をこちらに差し出した。

「飼い主さんの方がインコちゃんも怖がらないと思いますので…ご協力願えますか?」

インコちゃん、って言ったなこの人。

なにがインコちゃんだ…と思いながらも仕方なく紙を受け取りピッコロちゃんの脚に祈るような気持ちでくっつけた。

「2分くらいで結果が出ますので…」

紙は黄色くなった。

「やっぱりメガジャンボではありませんでしたね。おそらくギガジャンボでしょう。ギガジャンボはのんびりしすぎて軍用インコには不向きなのです」

男はもう用が無いと踏むとさっさと帰り支度を始めた。

「どうも大変ご迷惑をおかけいたしました。お詫びに粗品ではありますがどうぞお受け取りください」

徐に鞄から包みを取り出し、こちらへ差し出した。

「産地限定のセキセイインコのごはんです。もしよかったらピッコロちゃんにどうぞ。わたしもこんな仕事をしていますが、内心はメガジャンボセキセイインコちゃんたちを軍に渡すのは忍びない思いです。調査依頼が来るたびに『メガジャンボセキセイインコでありませんように』と思うんです。メガジャンボじゃなくて本当に良かった。では、これからもピッコロちゃんと仲良く暮らしてくださいね」

そう言うと深々と頭を下げて帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の中にも…。

優生保護法というのが話題になった。

この法律により障がいや特定の病気がある故に生殖することを強引に禁じられた人々がいた。

ひどい法律があったものだと思った。

しかしこれは決して他人事ではなかった。

自分の中にも優生保護法的な考えがあったのだ。

障がいのある弟を持っていながら…

 

弟は生まれつきの重度の自閉症(近年では「自閉症スペクトラム」というのだろうか)だ。今は千葉の施設でお世話になっている。

小さい頃から弟を育てる母親を見てきた。

障がいのある人を育てるのは本当に本当に大変なことだ。

母はほぼひとりでその苦労を請け負っていた。わたしにはその苦労を分担させたくないとの思いからあまり手出しをさせなかった。

父は仕事が忙しくまた病身でもあったので、弟のことを気にしながらも構う余裕はなかった。

弟の世話と父の食事療法とその他の家事などが全て母の担当だった。

 

障がいのある人を育てるのは自分にはとても無理だから出産はやめておこう、と思ったのはいつのころからだっただろうか。中学くらいの時にはすでに決めていたのは覚えている。

しかしこの考え方の中に優生保護法的なものがあるのだと気づいたのはつい最近だ。

成人してからも情緒も生理もなかなか安定せず、左耳低音難聴や後年見つかった脳の静脈性血管腫などが諸々に重なってこういう流れに至ったのかもしれない。

しかしこのような事情は別にしてもやはり障がいのある人を出産するリスクを避けたことにはかわりない。

障がいのあるきょうだいがいながら結婚や出産をしたひとたちもたくさんいる。優しくて勇気があるなぁと思う。

 

この代償は何かしらの形でこの先も抱えていくのだろうと思う。

フレッシュネスバーガーなう。

クリス・コナーの声が響き渡る。

東京郊外のフレッシュネスバーガー

仕事帰りに夕ご飯。

 

初めてフレッシュネスバーガーに入ったのも東京郊外の店舗だった。そこの店は今はもうない。

クラシックバーガーを頼んだ。

店員さんがお席まで運んできてくれたバーガーをほうばった。

素材の味がした。

というか、素材の味しかしなかった。

おお、これがクラシックの味なのね…でもやっぱりいつものケチャップやらなんやらの味がついた方がおいしいなぁ…と思いながらなんとも言えない気分で食べ終えた。

店を出るのに食器を戻すコーナーへと向かった時に調味料の一群を目にした。

ケチャップの赤いチューブ、マスタードの黄色いチューブ、そのほかタバスコやらカラフルなインコのラベルの調味料などが並んでいた。

なんだ、自分で味付けしながら食べるんだったのね…

 

今日は注文したクラシックバーガーと一緒に赤いチューブと黄色いチューブを店員さんが持ってきてくれた。

タバスコやらパラベーニョなどのコーナーは予めチェック済みだったので、早速そこに向かってめぼしいものを取ってきた。インコのラベルのはそこにはなかった。

今回のクラシックバーガーは一味ちがう。

なんてったって味がついてるからね。

ヤミーヤミー!