わが家のセキセイインコ、ピコちゃん。
ピコリーノが正式名だったがそのうちにピコ太郎になった。その直後に芸人のピコ太郎が出てきたのは驚きだった。そして結局は「ピコちゃん」に落ち着いた。
さて、そのピコちゃん。
オスのせいか囀りに余念がない。
同居のコザクラインコのメスのポポちゃん(正式名 ポポリーノ)のことが一番好き。ちなみにわたしはどうやら3番目くらいらしい。2番目は誰かというと、鏡に映った自分だ。ピコちゃんは鏡の中の自分を他の鳥さんだと思っているからだ。
ポポちゃんと鏡のなかの自分とわたしが同時にいる時はこの三者の間を健気に行ったり来たりして忙しい。八方美人ならぬ三方美人だ。
ポポちゃんの気を引くためにセキセイインコながらにコザクラインコの鳴き方を一生懸命練習し習得している。そして私の気を引くために(かどうかわからないが)、「ピコちゃん」「かわいいねぇ」「おい、ピコ太郎」「ピコ鳥」「ごはんだよ」「わーピコちゃん」「だめよー」「こんにちは」「おはよ」等わたしの声かけも鋭意習得している。
ピコちゃんに巻き舌をしてみたら食いついてきたのでそれ以来巻き舌をしてあげていたらこれもかなり高いレベルで習得している。
九官鳥は聴いたものをそのまま真似をするそうだが、セキセイインコは自分の中に一度落とし込んで真似したり自分が好きなようにアレンジをする。
例えば、「ピコねぇ」「かわいいちゃん」「ピコだよ」「ごはんどり」…これらはいずれもピコちゃんからわたしが習った言葉、つまり、ピコちゃんオリジナルである。
どうやらピコちゃんは「ピコちゃん」を覚える時に「ピコ/ちゃん」、「かわいいねぇ」を覚える時に「かわいい/ねぇ」と分解して理解し「ちゃん」「ねぇ」を語尾につければいいのだろうと学習したように思われる。その結果が「ピコねぇ」「かわいいちゃん」になったと推測できないこともない。
「ピコ鳥」「ごはんだよ」を覚える時も「ピコ/鳥」「ごはん/だよ」と分解したと思われる。その結果「ピコだよ」「ごはん鳥」となったのかもしれない。
また「ピコちゃんこんにちは」と少し長いものだと面倒くさくなってしまうのだろうか「ぴこんにちは」とアレンジしたりする。
セキセイインコの言語生成、なかなか興味深い。