就寝中、にわかに顔が寒くなった。
顔にしっかりと毛が生えている動物はきっと寒くないんだろうな、と頭まで布団を被ったり顔に手のひらを当てたりしてやり過ごした。
翌朝、一緒に暮らすコザクラインコのポポちゃんとセキセイインコのピコちゃんにおはようの挨拶をしに行った。
「みんなにはお顔にお毛毛があっていいねぇ」というときょとんとしていた。「あったかくていいよね」というとピコちゃんが「プッ」と短く返事をした。
インコが本格的に寝ている時は首を背中側に回して羽毛の中に嘴を突っ込んで、片脚を格納する。そうしないと羽毛で覆われていないから冷えちゃうのだ。因みに脚は右と左を交互にしまっているようだ。
上手くできてるなぁと思う。
他にも色々と上手くできている。
歯がないから虫歯や入れ歯の心配はない。
内耳の有毛細胞も再生するので難聴にはならないらしい。
網膜にも4色を配合して色を構成するから人間よりも細かく色を見分けられる。
もともと二足歩行仕様だから腰痛もない。
二本の脚がそれぞれ独立しているから片脚立ちもへっちゃら。
洋服も元から生えてるからいらない。
定期的に生え変わる(=換羽)からいつもいい状態だ。
尻尾の付け根あたりから脂が出るところ(=皮脂腺)があって、そこを嘴でこにょこにょして脂を嘴に付けて羽や羽毛のお手入れをするからクリーニングも完璧だ。
靴もいらない。
しかも雑食じゃないからいい匂いがする(特にセキセイインコ)。
飛べる。
そして、概ねご陽気(特にセキセイインコ)。
何一つ勝てるものがない。
ヒトって何だかイマイチだなぁ…