『カイエ・ドゥ・ルモワンヌ』というこども向けのピアノの小品集が全音楽譜出版社から出ている。
「カイエ」とは、フランス語で「出版社」を意味するらしい。
それほど厚くはないが2巻ほどある。
ルモワンヌ社から出ているフランスの作曲家によるピアノ用の小品から井上淳子さんがいろいろと集めて2巻にまとめてある。
なんとも洒脱な香りのする音がたくさん散りばめられていてうっとりする。
バイエルやツェルニーには出てこない音色だ。
これがフランスの音なんだなぁ…と思う。
中でも、シャルル・アンリの作品が気になったので、ルモワンヌ社から出ているものを取り寄せてみた。
日本で出版されている楽譜とは紙質も音符の印刷の具合も違っている。
その楽譜で弾いてみると、同じ曲でも日本で出版された楽譜を見て弾いている時とは何かが違うのだ。
言葉ではうまく表せないが、重力が違う感じがした。そのせいか自然に気持ちよく音を出せたのが本当に不思議だった。
他の国の人が日本で出版された楽譜を見て弾くとどんな感じがするのだろうか。
楽譜に限らず、その国の印刷物の持つ雰囲気ってあるような気がする。