「生感覚レンズってなにがいいんですか」
と綾野剛が隣の女性に尋ねる。
「せっかくだから歌ってみましょう」
生感覚レンズって〜なにがいいんですかぁ〜♪
…とピアノの前に座って二人で歌い出すCM。
初めてみた時は、というか、聴いた時の衝撃は忘れられない。全米が震撼するのではないかと心配したほどだ。
エリック・サティの『グノシエンヌ第三番』の冒頭部分のメロディにのせて、生感覚レンズってぇ〜♪と
歌うのである。
あの曲をああいう形で使うことを思いつくなんてすごいなぁと思った。
そこで今日はドギマギしながら楽譜のある音楽を弾いてみた。
グノシエンヌとは手元の『サティ ピアノ作品集(千葉文夫、柴野さつき 音楽之友社)』の解説によるとギリシャの「クレタ島の住人」という意味だそうだ。「(作曲)当時の神秘主義の宗教グノーシス派と結びつけて考える説もあります」ということだ。
楽譜の中でサティはいろんな指示を記している。フランス語によるものなので、日本語訳を参考に挙げてみると…
「念を入れて自分自身に忠告して」
「先見の明を身につける」
「谷をつけるために」
「意気消沈して」
「それをもっと遠くまで運んで」
「頭を開いて」
「その音を埋めて」
どれも想像力の掻き立てられる表現で面白い。
それを音で表現するのは実に難しい。
多分楽譜にある音を出してみるとなんとなくそんな感じになるようになっているような気もする。
さて、サティ…
take1を録ってアップしたあと一音間違えて弾いていたことに気づいてtake2もアップしてしまった…
どの音が違うか探ってみるのもおもしろいかもしれませんね。
ヒントは後ろの方です。