先月6日の府中の森芸術劇場平成の間でのフロアコンサート来場者アンケート集計が担当の方から送られてきました。
とても丁寧にまとめて下さってありがたい限りです。
来場者アンケートが「上司の方も驚きの回収率」だったそうです。
ご協力いただいたお客様、本当にありがとうございました!
「即興ピアノ」などというマニアックなジャンルを聴きに来て下さるなんて勇気あるなぁ…と思ったのですが、なかなか面白がっていただけたようでこの上なく嬉しいです。
実は「聴いていても訳わからなくて休憩時間のうちに半分くらいお客様が消えてしまうんじゃないか」と思っていたんです。なのに…感激でした!
お寄せいただいたご感想の中からいくつかご紹介させていただきます。
☆「心地よかったです」「癒されました」
少なからずいただいたお声でした。
なるほど、そういう風に聴こえているんだなぁと新鮮でした。言葉にはない効用かもしれませんね、これは。
☆「『かえるの合唱』が印象に残りました」
これもまた少なからずいただいたお声でした。弾いているわたしも楽しかったんですよね、あれ。この間の8月のRumi&Yukkoのやりたい放題(虎ノ門 b-techスタジオ)でも弾いたのですが(アンコールだったかなぁ??)その時も面白くて、もう一回どこかで弾いてみたいなと思いフロアコンサートのプログラムに入れてみました。もちろん8月とはまた違ったものとなりました。
シンプルだけどよくできているメロディっていじくり回していると面白いことが起きるんですよね。
☆「お話が早口で…」
そうなんですよね。わたしも話しながら「早いなぁ…」と思っていたのですが。特に前半…大変失礼いたしました。
☆「おまかせコーナーをもっと!」「全て『おまかせ』の演奏会も是非!」
そう、これはずっとしてみたいなぁと思っているのです。実は「おまかせ」がわたしも一番楽しいんですよね。自分でも思いがけないものが出てきて「へぇ〜」っと思いながら弾いているあの感覚はまた格別なんですよね。
来年の夏のソロでのサロンコンサート(東府中 サングレースにて。2020年8月2日(日)14:00開演予定)はそうしちゃおうかな、フフフ。
☆「相当多くの引き出しをお持ちなんだろうと思います」
多いかどうかは自分ではわかりませんが、気がつくと引き出しに入れるものを探していますね。出会う時は立て続けに出会うのですが、出会わない時は全く出会わないのが不思議です。また、以前はそれほどビビッと来なかったCDが何かの拍子に聴き返して「なんじゃこれはー」とインスパイアされることもあります。
☆「楽譜を見ずに即興で弾けるのがすごい」
楽譜の音楽を暗譜して人前で弾くのは怖くて仕方ないんですよね。綱渡りをしているようで自分のペースで呼吸ができなくなってしまうんです。即興なら聴いている人も弾いている自分も知らないところに一緒に行けるし、自分の呼吸で弾けるし、わあこんなところに来ちゃったよ、みたいなドキドキワクワク感があるのでその方が気がラクなんですよね。
でも演奏目的ではなく楽譜を見て音を出すのは好きです。わあ、こんな音作りしてる!とか発見があるんですよね。そして引き出しに入れちゃいます。
☆「自由に楽しめてよかったです」
そう言っていただけると嬉しいです。
聴いている人も弾いている人も自由、というのは面白いなぁと思います。
これが即興の醍醐味ではないでしょうか。
楽器でも楽器ではなくても音の鳴りそうなものを見ると叩いたり弾いたりしたくなる…というのが即興の大元なのかもしれませんが。
また次のようなご質問もいただきました。
◆「即興は一回限りのものなのでしょうか」
タイトルのない即興やおまかせで弾いたものは完全に一回限りです。弾いたものはどこから来てどこへ行くのだろうと自分でも思います。
不思議ですよね。
まあ確かに自分の好きな感じ(手癖、とでもいいましょうか)はありますね。つい使いたくなってしまうフレーズとかコード進行とかは使う頻度が多くなるかもしれません。でもそこにばかりいると停滞するのでやはり知らないどこかへ出かけていかなくてはいけないんですよね。
◆「題があるとしても二度と同じ曲は弾けないのでしょうか。録音しているとか?」
全く同じようには弾けないんですよね。記憶に残らない場合が多いので…
録音もしていないんですよ。YouTubeにものせていません。即興を閉じ込めてしまうのもなんだかなぁ、と(まあかつてはアルバムというかたちでCDに閉じ込めたこともあります。もう一回くらい閉じ込めたいと思うのですが…笑)。お客様にとっても自分にとっても一期一会、という感じです。
また、題をつけるのは聴く方にとってはそのほうが聴きやすいのではと思ってつけたのが発端だったんです。「即興第1番」とか「無題1」とかにしてもいいのですが、それだと聴いている方もキツいかな、と。そんなマニアックな会も一度はやってみたいですね笑。
余談ですが、タイトルのある即興の時は、出だしの調性(何調で始めるか。例えばB♭[変ロ長調]始めよう、とか、無調で出よう、とか)は決めていることが多いです。また出だしの二、三小節は予め決めていることもあります。