このところ読譜をしている。
読書は自分の心の声で自分のペースで読むことが普通かと思う。
自分で文章を味わうために読んでいる。
読書感想文を求めるなどという風習は無粋極まりないのではないかと思ったりもする。
自分の好きなように読めばいい。
感想を持つのことなど気にせずに。
ためになってもならなくてもそんなことはお構いない。
読譜もそんなふうに読んでいる。
人前に耐える演奏をするために譜読みしているのではなく、自分で音を味わうために楽譜を読んで音を出している。
「ああ、こんな音の組み合わせがあるんだ」「なるほど、こんな感じもあるんだ」など思ったり思わなかったりしながら読み進めていく。
これまでに集めた楽譜の中から目についたものを取り出し譜面台にのせて音を探る。
何年も手に取ることのなかった楽譜をふと読みたくなったりもする。
以前とは違った印象を受けて刺激的だったりするのが面白い。
出会い直し、という感じ。
こんなにすごいものが既にあるならあえて自分で新しいものを作ったり即興しなくてもいいな、なんて思うこともある。
なのに読譜の後に何か即興したくなってしまうことも少なからずあるのが不思議だ。