Rumi&Yukkoのやりたい放題 vol.9(虎ノ門ビーテックジャパンのサロン)が無事終了した。
お足元の悪い中足をお運びいただいたお客様には感謝の気持ちで一杯だ。
会場側からの要請で感染症対策のための人数制限があった中での開催だったので、初めて予約制という形にしたために、すぐに定員に達してしまって申し訳ないところもあった。
当日が近づくにつれて悪くなる一方の天気予報だった。土砂降りで大変、みたいな感じだった。どうもこのところの天気予報は煽りが強い。自然災害が増えているので無理もないが。
雨の日は来るお客様も憂鬱かもしれないけれどコンサートでの客席との一体感がある、というようなことをたまたま前日に読んだ大貫妙子のエッセイに書いてあった。雨もいいものなんだな、と思い直した。
当日に着る予定の服は雨に濡れた場所がわかってしまう色のインド綿だったので、せめて行き帰りだけは土砂降りを避けたかった。
絵描きのいとこに相談すると「おなかにてるてる坊主を描くといい」とのことだった。
早速お風呂上がりにサインペンで描いてみた。描いてから気づいた。あ、ここは胃だったと。
翌朝、てるてる坊主は胃のあたりでニコニコしていた。
窓の外は曇りで、薄陽もさすような感じだった。
てるてる坊主、効いたな!と思っていたが、時間が経つにつれて文字通り雲行きが怪しくなってきた。そしてジャバジャバと降り始めた。
やっぱり胃じゃダメだったかぁ…と思ったが、家を出る頃には小止みになっていた。
いつも弾く時はウォークマンで音楽を聴きながら会場に向かうのだが、このところの耳の不調で音楽はきつかったので、野鳥の会から以前取り寄せた野鳥の声が入ったCDがウォークマンに入っていたのを思い出し、それを聴いていた。
虎ノ門に到着。
3年ぶりにビルの狭間に在しますの金刀比羅宮にご挨拶。ついでにお守りも新調。
水を買いに神社の近くのコンビニに入った。
するとラベルのないサントリーの天然水があった。
水をテーマにした即興を弾こうと思っていたのだが、その際に水をどこかに置いたらいいかも…と思っていたのだが、ペットポトルのラベルを剥がして置こうと思ったが接着剤が付着したままになりそうだからなぁ…と諦めていた。
これはいい流れだな、と思った。
Yukkoさんがリハが終わる頃を見計らって会場に入った。
パラパラとフルコンのベーゼンドルファーを触ってみた。ベーゼンってこんな感じだったんだっけね。
低音部のまっくろけっけの鍵盤たちも相変わらずドロロロロ〜と鳴っていた。そうそう、これこれ^ ^。
お客様も入り、開演時間になった。
Yukkoさんがピアノを弾き始めた。
3年前の音とは変わっていた。
Yukkoさんにとっても大きな3年間だったんだなぁと勝手に思って感慨に耽った。
途中、休憩を挟み、今度は私が弾き始めた。
BGM for Bosen
BGM for Water
BGM for the Moon
(以上 即興)
美貌の青空(坂本龍一)
空は青く白い(フィンランド民謡)
あめふりくまのこ(湯山昭)
Why Did I Choose You?(Michael Leonard)
弾いている時になんとなくジェットコースターがふわっと下降したり上昇したりというイメージが浮かび音で表したくなった。
聴きにきてくれた人があとで「私の勝手な感覚なんだけど、ジェットコースターが…」とメールをくれた。
鳥肌が立った。
意識がシンクロしていたらしい。
お客様が優しく静かに耳を傾けて下さっているのが弾きながらとても伝わってきた。その耳に向けて音を発していると自分でも驚くほど小さな音で弾いている場面があってハッとした。
コロナ以前には出来なかった表現なんじゃないかなぁ…
最後のアンコールでYukkoさんが弾いた即興が素敵で
うるっと来てしまった。自分はお客様から即興のイメージのリクエスト(「七夕」)をいただいた。即興の間に「たなばた」のメロディを含ませたりしながら弾いて終わった。
そして演奏会は終わった。
無事開催できて、無事終わって、本当によかった。