刃文プロデュースの『潜り酒場の音楽会 vol.1』のオープニングアクトに召喚されて弾いてきた。
調律も間遠と思われる古いアップライトでの演奏。
これまでは人前でグランドで弾くことが大半だったので、弾く前までは「アップライトで大丈夫かな?」とちょっとドキドキしていた。
かつて世田谷のどこかの公民館のようなところの小さな部屋で、笛の西川浩平さんとピアノの奈良英子さんの演奏を聴いたことがあった。ピアノは年季の入ってそうなアップライトで、調律もボチボチだった。そのピアノでショパンの舟唄を丁寧に演奏されていた姿がとても印象的だった。
そのことをふと思い出し「どんなピアノでも丁寧に弾けばそのピアノの音が鳴ってくれる」と思い直した。
弾き始めは音程のズレなど気にはなったものの、次第にまたそれも違った音響効果として耳に馴染んで、気づけば夢中で弾いていた。
家にあったアップライトたち、高校の部活で弾いていた音楽室のアップライトピアノ、音大の地下の練習室のアップライト…いろんなアップライトたちを思い出しては懐かしい気分になった。
オープニングアクトでソロのアレンジものや即興などを6曲(Long Long Ago、さくらさくら、空は青くそして白い、I'm Homeなど)。
その後、ギターのあき坊さんのソロが数曲、そこから刃文のおふたり(ドラムスの松兄さん、ギターのあき坊さん)の演奏。かっこよかったなぁ…
それから刃文とベース(ラッドカンパニーのオーナーのKENさん)とピアノで即興セッション。他の楽器との即興セッションはもう10数年ぶりだったのでどうなるかなと思ったが、みなさんの雰囲気で楽しいセッションになった。
今回は初めてのお客様が多かったので、自分のピアノがどんなふうに響くのかと思ったが、結構面白がっていただけたようでホッとした。
これからも潜ったところでも潜らないところでも、いろんなところでいろんなピアノで弾いていこうと思った。
刃文さん、ラッドカンパニーさん、みなさまどうもありがとうございました。