rumipianoのへっぽこるみ日記。

即興ピアニストrumipiano(岡本留美)のブログです。日々のつれづれ、脳内日記(創作日記)、演奏会情報などを載せています。YouTube公開中(『youtube rumipiano』で検索)。ホームページは「rumipiano ホームページ」で検索するとご覧いただけます。お問い合わせはrumipianosokkyo@gmail.comまで。

インコに口紅。

近所まで買い物に行く出がけにコザクラインコのポポちゃんと遊んでいたら、ふとした拍子にポポちゃんの右目の上あたりにわたしの口紅をつけた口がちょんと触れてしまった。

あーあ、ついちゃった、口紅。

ごめんねごめんね〜と言いながら水で洗ってタオルで軽く拭いてみたけど完全には取れない。

ポポちゃんが自分で舐められる位置ではないのが救いだ。

色も濃いものではない。

ぱっと見は、ポポちゃんの赤い部分の近くなのでそんなには目立たない。口紅がついたところはポポちゃんのやまぶきいろの毛の部分で口紅はピンクグレー。

 

「インコに口紅がついてしまった」と検索してみたら、文鳥にカレーがついた例やミートソースがついた例に行き当たった。

あのもっふもふのまっ白い文鳥にカレーがついたら…目立つだろうなぁ。ミートソースも目立つよなぁ。

 

今後は気をつけよう。

 

死んじゃうのかしら。

マツコ・デラックスが『5時に夢中!』で「あたし死んじゃうのかしら」を例の口調で連発していた。

マツコ46歳。

なんとなくそんな気がし始めるお年頃なのだろうか。

そんなマツコとほぼ同い年のわたしもこのところ寿命と孤独のことばかり考えている。

隔世の感に襲われることもしばしばだ。

マツコも言ってたけど…高校球児が年下になった。

それに…

プロ野球選手が年下になった。

モスキート音が聞こえなくなった。

大学生を持つ親も医者も年下になりつつある。

溢れんばかりの若さを前にすると気が遠くなる。

地上波よりBSを観ている方が落ち着く。

 

10代後半から20代は「死とはなんだろう?」「死ぬってどういうこと?」などとしつこくしかも観念的に考えていた。

30代は一旦休止。

40代に入って久しくなった今、それこそ「死んじゃうのかしら」と感じることが多くなった。

生きているものは必ず死んじゃうんだよね、と自分のことを含めて感じるようになった。

縄文時代の平均寿命は40歳くらいだとどこかで聞いた覚えがある。

そういえば40代に入った頃から自分が進む方向がぱたっと見えなくなった。

自分の前世は縄文人だったかどうかはわからないが、もしかしたら40歳前後にお亡くなりになったのかもしれない。

…ってあるのかな前世。

ドライヤーを買う。

いつ買ったかも失念するほどのドライヤーが痰が絡んだように喘ぐようになった。

 

そこで新しいものを買ってきた。

ナノイーとかミネラルマイナスイオンなどがでるらしい。

見えないからわからないけど出るらしい。

しかし取扱説明書を読んでただならぬ衝撃を受けた。

以下説明書からの抜粋。

 

髪に対する実感は個人差があり、次の人には『ナノイー』とミネラルマイナスイオン、及び温冷リズムモード、毛先集中ケアモードの効果が現れにくい場合があります。

・縮毛の人

・強いくせ毛の人

・髪質がサラサラでおさまりがいい人

・縮毛矯正パーマをかけて3〜4か月までの人

・髪の短い人

 

どうだろう。

逆にこれらの項目に当てはまらない人のほうが少ないんじゃないだろうか。

今後は是非ともドライヤー売り場のコーナーには髪質のサンプルを置いておいてもらいたい。

こういう髪質の人なら効果あるよ、って。

 

ドライヤーの闇を垣間見たような気がした。 

ドライなやつだからドライヤーだったんだ。乾かしてくれるナイスなやつだと安易に思っちゃいけなかったんだ。

 

まあもうこのドライヤーと付き合うことを決めた今となってはそれなりになんとかやっていくこととしよう、このドライなやつと。

このドライなやつは操作一つでクールなやつにもなるらしい。

ドライでクールか…無敵で不敵だな。

脳内日記 その八。

いつものようにお風呂の中で頭皮を両手でコニョコニョ動かしていた。

左手に違和感があった。

側頭部よりやや上のあたりがいつもより凹んでいる感じがした。

バスタブから出て浴室内の姿見でそのあたりを調べてみた。

するとつるんとした部分がちらっと見えた。

んん?

これがあの円形脱毛症というやつか…

まあこのところいろいろあってちょっと参っていたのは確かだ。

朝起きてクローゼットを開けたら自分の知らない服ばかりになっていた、とか、ピアノの鍵盤の蓋を開けたら黒鍵が消えていた、とか、就寝中に両手のひらが熱くて目が覚めて部屋の明かりをつけて手を見たら両手の甲が内側にもあって掌が消えていた、などなど。

頭皮における空白部分をさらによく見てみると何かがおかしかった。

脱毛部分が円形ではなくほぼ正三角形だった。

ど、どうしよう…まるじゃない…

脱毛症専門のクリニックを探した。

どこも診療案内に「円形脱毛症」という文字はあったが「三角形脱毛症」はなかった。

困った。

もう少し探してみると「つるりんニコニコクリニック」というところのサイトに行き当たった。そして診療案内に「各種脱毛症」とあった。各種!!

予約をしなくてもいいようだったので早速行ってみることにした。自宅の最寄りから二駅ほどのところにあった。

茶色いレンガの建物の二階にあった。

 

クリニックのドアを開けると受付だった。

「頭に三角形の脱毛部分が出来てしまって…」と受付のひとに言うと「わかりました。ではこの問診票にご記入ください」と至って普通にことは流れた。

問診事項にひと通り答えて受付に戻し、待合室の椅子に座っていた。自分の他は誰もいなかった。

 

名前が呼ばれて診察室に入った。

愛想と恰幅のいい先生が座っていた。

問診票に目を通してやおら口を開いた。

「あ〜ら、三角形できちゃったんだぁ」

「はい、そうなんです。まるじゃないので不安で…」

「まあそうね。でも三角形になるひともいるのよぉ。四角形もね。」

「へぇ、そうなんですか!」

「そうそう。三角形はトライアングル由来、四角形ははんぺん由来」

「はぁ…」

「三角形脱毛症になるひとはもともとはトライアングルから出来ているの。四角形脱毛症ははんぺんからね」

「ということは…」

「そう、あなたはどうやらトライアングルのようね〜。そういえばあなたの声よく響くわね。さすがトライアングル由来だわ。それにスタイルも逆三角形で素敵よね」

「そういえばトライアングルは小さな頃から大好きだったんです。今持っているのは三代目のトライアングルで…って大丈夫なんですか、トライアングル由来で」

「特に問題はないんじゃないかしら。ちなみに四角形脱毛症になるはんぺん由来のひとは色白で寸胴な方が多いかしらね」

「なるほど。じゃあ円形脱毛症のひとは?」

「残念ながら人間由来ね。つまんないわね、まったく。わたしも人間由来なの。ああ、つまんない。まあ、いいわ。三角形脱毛症はそのまま気にしないでおけば治るから大丈夫よ。あ、でも…朝晩にトライアングルを叩いて患部に振動を送るように近づけると回復が早いという臨床データもあるの。5回ずつね。やってみるといいかもね。」

と言って片手を「5」の形にして見せた。先生にも手のひらがなかった。

「ちなみに四角形脱毛症のひとはどうなんでしょう?」

「あれはなかなか治りにくいみたいね。はんぺんを患部につけてもかぶれてしまうし。はんぺんの表面に爪楊枝で可能な限り沢山の穴を開けて祈ってから焼いて食べるしかないらしいわ。治るまで食べるなんて大変よね、はんぺん由来は。あなたよかったわよ、トライアングルで。ではお大事に」

「ありがとうございました」

診察室のドアを閉め再び待合室で会計を待った。

そっか、トライアングル由来だったんだ自分は。

脱毛症にならなければ一生由来がわからなかったな。

ペンギン・ハイウェイ

久々に映画を観に行った。

ペンギン・ハイウェイ』。

 

森見登美彦の本を読んで面白いお話だなぁと思っていた。

レムの『ソラリス』と前後して読んで「なんとなく似てるな」と思ったら森見さんがどこかのインタヴューで「『ソラリス』みたいな話を書きたかった」というようなことをおっしゃっていた。

ペンギン・ハイウェイ』に主人公アオヤマくん(オタクで天才少年系??)が歯科医院の待合室で偶然一緒になったクラスメイトのいじめっ子、鈴木くんを脅かすためにでっちあげた「スタニスワフ症候群」(歯を全部抜かないと治らない病気)という架空の病名が出て来るのだが、それは『ソラリス』の作者の名前、スタニスワフから拝借したのだろう、たぶん。

ソラリス』は海のような様態の得体の知れない知的生命体がソラリスにあるステーションの研究員たちにじわじわと影響を及ぼしていくというストーリー。生物の中で人間が一番賢くて力があるわけではない、という人間至上主義へのアンチテーゼ。

 

ペンギン・ハイウェイ』にもこれまた得体の知れない意志をもった海が森の奥に登場する。その海とペンギンと「おっぱい」のお姉さん(アオヤマくんかかりつけの歯科医院にお勤め)が屈託無く結びつけられているおかげでちょい怖ほんわか冒険ストーリーに仕上がっている。

映画館のスクリーンをくりんとした目のペンギンちゃんたちの正面姿が埋め尽くすシーンはユルく圧巻だった。

ペンギンとお姉さんの正体は…

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