久々に映画を観に行った。
『ペンギン・ハイウェイ』。
森見登美彦の本を読んで面白いお話だなぁと思っていた。
レムの『ソラリス』と前後して読んで「なんとなく似てるな」と思ったら森見さんがどこかのインタヴューで「『ソラリス』みたいな話を書きたかった」というようなことをおっしゃっていた。
『ペンギン・ハイウェイ』に主人公アオヤマくん(オタクで天才少年系??)が歯科医院の待合室で偶然一緒になったクラスメイトのいじめっ子、鈴木くんを脅かすためにでっちあげた「スタニスワフ症候群」(歯を全部抜かないと治らない病気)という架空の病名が出て来るのだが、それは『ソラリス』の作者の名前、スタニスワフから拝借したのだろう、たぶん。
『ソラリス』は海のような様態の得体の知れない知的生命体がソラリスにあるステーションの研究員たちにじわじわと影響を及ぼしていくというストーリー。生物の中で人間が一番賢くて力があるわけではない、という人間至上主義へのアンチテーゼ。
『ペンギン・ハイウェイ』にもこれまた得体の知れない意志をもった海が森の奥に登場する。その海とペンギンと「おっぱい」のお姉さん(アオヤマくんかかりつけの歯科医院にお勤め)が屈託無く結びつけられているおかげでちょい怖ほんわか冒険ストーリーに仕上がっている。
映画館のスクリーンをくりんとした目のペンギンちゃんたちの正面姿が埋め尽くすシーンはユルく圧巻だった。
ペンギンとお姉さんの正体は…