職場の検診のため酷い嵐の中を歩いていた。
検診がなければ勤務日ではないので「わーおそとすごいでちゅねぇ〜まー大変」とかインコちゃんたちに話しかけながら屋内で悠々と過ごせたのだが…
傘をさしていても髪の毛が濡れていた。
雨風が四方八方から襲ってきていた。
そんな激しい天候の中にいるうちになんだかワクワクしてきた。ほぼ全身ずぶ濡れなのに。
道すがら知った顔とすれ違った。
「わぁ」
と手を振りサラウンド風雨の中でお互いににこっと挨拶を交わした。
「ああ、前世でもこの人とこんな場面ですれ違って挨拶をしたことがあったな」
とふと思った。
そしてみぞおちのあたりがほんわりした。