銀座で桜に遭遇。
どこからか連行されてきたらしい。
桜もびっくりしていることだろう。
中学生の頃、国語の時間に「桜」をテーマに物語を書く授業があった。
大きな木にうわっと花をつける満開の桜に美しさよりも狂気めいたものを感じていたわたしは
「実は桜の美しさで発狂した女性の死体が樹の下に埋まっているのである」
というような話を書いて提出した。もしかしたら『人殺し桜』とかいうタイトルもつけたかもしれない。
それから数日後、国語の先生に呼ばれた。
「こんな話を書いてたけど…あなただいじょぶ?」
先生はわたしの目を心配そうに覗き込んだ。
先生は奇をてらった中二病の我が自信作を読んで「人殺し、とか、死体とか…これはマズい」と思ったのだろう。もしかしたら周りの先生にも相談したかもしれない。「こんなことを書いてくる生徒がいたのですが…」と。
そうじゃないんだけどな。