Amazonで頼んでいた矢野顕子の『Super Folk Song』がやっと来た。
うまいにゃあうまいにゃあ、と言いながらキャットフードを食べる子猫の動画があったが、うまいにゃあうまいにゃあと言いながら聴いてしまう。
歌もうまいがピアノがとにかくうまい。
風のようなピアノだ。
このアルバムの制作過程を撮った映画があるようだ。
『Super Folk Song』〜ピアノが愛した女』。
ピアノが愛した女…いいなぁ。
ピアノが愛したんだ。
ピアノを愛した女はいくらでもいるが、ピアノが愛した女はそうそういないだろう。
それにしても、聞き覚えがあるフレーズだ。
ピアノが愛した女…
この映画、観たことがあった。
遠い昔に。
試写会が当たったから、とサヨナラをしたボーイフレンドが誘ってきたのがこの映画だった。
ボーイフレンドに未練はなかったが映画は観たかった。
「こんな映画、お前しか誘えない」と言われたような記憶がある。
あの頃もピアノの話をしていたのだろうか、彼に向かって…残念ながらその辺りは全く覚えていない。
取り憑かれてように歌う矢野顕子は当時のわたしにはまだ早かった。
「なぜ、映画を見て矢野顕子にハマらなかったんだ!!」とあの頃の自分に説教してやりたいくらいだ。
そんなわけで映画の内容も覚えていない。
それから後にも就職してから知り合った友人が「矢野顕子いいんだよ。『ラーメン食べたい』とか…」と言っていて彼女の家で聴かせてもらったときもよくわからなかった。
「なんだ、まだ矢野顕子がわからんのかお前は!!!」
と重ねて説教してやりたい。
今、やっとたどり着いた矢野顕子。
よかった、たどり着けて。
遅くなってごめんなさい、ほんと。
ひとりピアノに向かう時間をどれだけ重ねているかが本当によくわかる音だ。
何かのインタビューで「練習は嫌い」と言っていたが…
ああ、うまいにゃあうまいにゃあ…