仕事帰りの電車。
耳には矢野顕子のアルバム『ごはんができたよ』。
出入口ドアの上の画面からはコマーシャル画像が流れていた。
耳の中には♪げんこつやまのぉたぬきさぁん〜おっぱいのんでねーんねしてぇ〜♪とファンキーなアレンジの『げんこつやまのたぬきさん』が流れていた。
画面をぼんやりと眺めていた。
味スタでサッカーの若手選手の指導者が「栄養が大事だよね」みたいな話をしはじめた。ああ、味の素のCMか…とぼんやり眺めていた。
指導者が話す横に名前が出ていた。
中村忠。
「あれっ?中村くんじゃん」
大学時代の語学のクラスで一緒だった中村くんだった。
ああ、そうそう。
Jリーガーだったんだよね、ヴェルディの。
まだ日本にサッカー人気などという文化がなかった頃だから「Jリーグ?!なにそれ??セ・リーグとかパ・リーグの仲間か?」というくらいの認識だった。
オランダ遠征とかいって時々授業にいない時があったな、そういえば。
ドイツ語の試験の時に「ノート貸して」と言われたこともあったな。
あんまり接触はなかったから向こうは覚えていないだろうけど。
がんばってんなぁ。
とりあえずなんだかうれしい気分になった。
それにしてもお互い老けたもんだ。
ハハハ。