秋風が吹いてくるとなんとなくおセンチになる。
ふとアンドレ・ギャニオンの楽譜を弾き散らしたくなった。
かつて『めぐり逢い』が日本でも大ヒットした、あのアンドレ・ギャニオンである。
この楽譜を開くのは何年振りだろう。
目についたところをパラパラと弾いていく。
以前とは違った感触がある。
ただ綺麗な曲だと思っていたのだが、そうでもなかった。
弾いているうちに彼岸にいるような気分になってくる。
どれもこれも彼岸の音がする。
彼岸から連れてきたような音が散りばめられている。
アンドレは彼岸から此岸を眺めて曲を作っていたのではないかと思ってしまう。
別に彼岸に行ったことがある訳ではないのにそう感じてしまう。
今もまだ彼岸につかった余韻でぼんやりしている。
今日は中秋の名月。