必要があって久々に手を繋ぐ機会があった。
しばらくは人差し指から小指までの四本が相手の掌の中に収まっている状態で手を繋いでいた。
次第に息苦しくなって来た。
苦しい苦しい。
うわぁ〜っとなりそうだった。
もう限界だった。
「あの…手の繋ぎ方を変えてもいい?」
相手の手指と自分の手指が一本ずつ交互になる繋ぎ方をに変えてもらった。
途端に五本の指が自由を得た喜びに勝手に動き出した。
それと同時に息苦しさも治まった。
「やっぱピアノ弾きだね」
と言われた。
そういう問題なのだろうか。
他の人たちは四本の指を相手に拉致されながら歩いていても平気なのだろうか。
街頭調査をしてみたくなった。