雨がじっとり降っていて、木がざわざわいうほど風が吹いている。空には厚い雲に覆われ、内耳が湿度を感じて首から上がぼんやりしてきてそのままどこかへ持っていかれそうな感じになる。
そんな自然のダイナミズムを感じるモンスーン的なお天気が実は好きだ。
体の根深いところがワクワクしてしまう。
傘もささずに草原を走り回りたくなるくらいだ。
これは遠い先祖の記憶なのかもしれない。
こんな日の朝に通勤電車に乗って出勤するのは殊の外辛いのは、遠い先祖の記憶にないからかもしれない。
仕事がないので、ワクワクしながらモンスーンを浴びに外へ出てみた。
小雨が降っているのに風が強くてほとんど傘をさしている人を見かけない。みんな密かにワクワクしながらモンスーンを味わっているのだろうか。
お寺の横の森のような道を歩く。
風に煽られ木々が思いっきりざわめいている。
その音を聴きながら、空の雲がすいすい流れるのを見上げるのは格別だ。
ああ、モンスーン。