先日の『Rumi&Yukkoのやりたい放題』で演奏会での演奏を初めて録画してもらった。
会場はベーゼンドルファー日本代理店B-tech Japanの小さなサロンだ。ベーゼンドルファーインペリアルの試弾室だった部屋をサロンとして貸し出しているので部屋自体は小さい。しかしピアノは大きい。
これまで何度も演奏会というものを開いてきたが、演奏を録画しようと考えたことがなかった。即興を録画しても鮮度が落ちそうだよな、というよく分からない理由づけをしていた。
コロナ禍を機に自宅の小さな部屋で小さなグランドピアノでの演奏を録画をしてYouTubeにアップするようになった。
部屋は6畳弱の防音室。
いうまでもなくB-techのサロンよりはるかに小さい空間だ。
そこにBostonの一番小さいグランドピアノ(ベーゼンドルファーインペリアルよりはるかに小さいのはこれまた言うに及ばず)を無理矢理入れている。その横にはベッドが迫っている。なので部屋のドアは内側には半分しか開かない。これぞまさに「ベッドルームミュージック」。
部屋で撮った動画とサロンで撮った動画を聴き比べると、ピアノや空間のサイズによって即興の表現も大きくなったり小さくなったりするのが面白い。
大きなところで小さな表現をするのは小さなところで大きな表現をするのもと同じくらいのパワーが必要だ。パワーといってもマッチョなパワーというより内的な力という感じに近いかな。
空間に少し抗ってそのギャップを活かす表現もあれば空間に委ねた表現もあるのだろう。
大きい表現でも時には静けさとなったり小さい表現でも激しさとなったり…
ピアノと奏者、そして観客が入り混じって渾然一体となって音が空間に響いていくあの感覚がいいんだよなぁ…