久々の曇り空。
不定愁訴女王の家人を横目に蕎麦と刺身の盛り合わせを近くのデパートまで買いに出かける。
途中に小さな森のようなお庭の歯医者がある。女王のかかりつけである。「庭に餌を置いていろんな鳥が来るようにしているらしい」と女王から聞いていた。女王は江戸っ子らしいので「庭」に「お」なんてつけたりはしない。「しおひがり」は「ひおしがり」になる。
歯医者を通り過ぎようとしていた時、とりさんがご飯を食べていたのだ。
ん?んんんん!!!!!インコじゃないかぁ♡♡♡♡♡
釘付けになった。あーなんだっけ、このインコ…ダルマインコだっけ?あーワカケホンセイインコだ。
挨拶してみる。目が合った。うれしい♡
周りを見やるとおなじインコが何人かいる。
「何の鳥ですかねぇ?」と背後から声がした。
振り向くと、自転車から降りて同じく庭を眺めているご婦人が道路越しに声を掛けてきたとわかった。
インコです!とそのインコの代わりに言っているようなウハウハした気持ちで答えた。
「飼ってるのかしら?」
いや、野生だと思います。都内ではよくいるみたいですよ、目黒とか!と嬉々としながら答えた。
ご婦人はお礼の言葉とともに去って行った。
都内でよくいる野生のワカケホンセイインコがついに武蔵国の国府まで進出したとは…そういえば昨日うちのコザクラインコのポポちゃんが外から聞こえるとりさんの声にやけに反応していたなあ。ポポちゃんにはいるのがわかっていたのかもしれない。
また帰りにじっくり見よう、と歩みを進める。
帰りにはもういないかも、とはなぜか思わなかった。
伊勢にはないが伊勢を思い起こさせるデパートと商業ビルが合体している建物へと入る。
ああ、なんだか空気がウカウカしている。
だーかーらー嫌いっだよぉ〜こんな日に出かけるの〜ひとがーやたら歩いてて〜用も無いのにぃ〜♪なんてユニコーンの歌、あったね。
デパ地下は大賑わいだった。
蕎麦を選んでから鮮魚コーナーへ。刺身の盛り合わせが法外なご祝儀価格で売られていた。みんな文句を言っていた。
だよな。
デパ地下と繋がっているミサイルがよく飛んで来る国と関係があるとかないとかのスーパーで刺身の盛り合わせを買い求め、そそくさと建物を出る。
電線や高いところを注意しながら来た道を歩く。
再び歯医者さんのお庭に差し掛かる。
まだいたまだいたインコちゃん。
よく見たら電線の上にいるいるインコちゃんのみなさん♡♡
それぞれペアみたいだね。