2533。
東日本大震災での不明者数。
人が亡くなった時、立ち会ったとしても、なんというかよくわからなかった。葬式などをしても悲しいのだがよくわからなかった。そのあともいなくなったいうこと以外にはよくわからない。
まして突然不明になってしまったらもっとわからないかもしれない。
8年前の今日。
自分の住む地域は震度5。
マンションの共用廊下の手摺りがキコキコ恐ろしい音を立てていた。
飼っているコザクラインコのポポちゃんは無精卵を一生懸命あっためていた。
けれども東北で津波や原発が大変なことになるとは思いもしなかった。
福島原発で発電した電気を使っていたことも初めて知った。
あの時、どうにもならない恐ろしさと頼りなさを突きつけられた。
不確かな環境で有限の命を抱えて生きていることを思い知らされた。
あれから8年。
これを機にもう少し自然で温かい方向に社会が変わるのかな、と思った。
しかしそれは全くの思い過ごしだった。
怖いくらい違っていた。