夢を記録してみようと思い夢日記をつけ始めた。
初めの幾日かは起床してすぐに書いていたのだが、それからはとんと書けなくなった。
夢を見たのは確かなのに記憶が曖昧でどうにも書き出せない。
夢を見ている段階で「覚えとかなきゃ」と意識している自分がいる。
夢は時に二本立て、三本立て、またはそれ以上となる。
「ああ、覚えられない覚えられない」と夢を見ながら焦ってしまう。
夢の中で。
全くもって小心者だなぁと呆れてしまう。
夢の中なのに現実の意識が介在してしまうということが分かったのはちょっとした発見だった。
夢の次元に現実の次元が入り込んでしまうということが起きるのだと知った(まあ確かにこれまでも、夢をみながら「こんなことあり得ないよね」と夢の中で頬をつねってみたことが幾度もある。それも現象的には違えども構造的には同じ類のことなのかもしれない)。
一方、夢を純粋に味わえないのは日頃の楽しみがひとつ減ってしまうようなものだ。
けれども夢の内容を思い出して書く作業をすることは何かと役に立ちそうな気がしてならない。
そのうちまた書けるようになるといい。
たかが夢、されど夢。
気負わず、焦らず…