先月に発売された坂本龍一のアルバム『12』。
日記のように毎日演奏したものの中からか12作品を選んで入れてある。
タイトルには演奏した年月日が付けられている。
余命宣告を公表してからのアルバムだ。
発売日は自身の誕生日。
そのアルバムの3曲目が「20211201」。
ピアノとシンセで音が訥々と紡がれている。
そしてそれと平行にしてスースーという寝息のような鼻呼吸ようなリズムの音が聴こえている。生きている証のような音だ。それだけに、初めて聴いたときは生々しくて切なく辛い感じもしたが、何回か聴いているうちに、自身のために奏でている子守唄のように聴こえてきた。
静かな響きがアルバム全体を満たしている。
ひたすら美しい…